<プロフィール>
東京都在住。マッサージセラピスト/サロン経営/プライベートスクール運営/講師/瞑想指導者、一般社団法人スウェディッシュ・ディープティシューセラピー協会 代表理事、Body Therapy NY*FLOW*・オーナーセラピスト、FLOWボディセラピースクール 代表、瞑想ラボ@銀座 主宰など、様々な顔を持つ。
■Body Therapy NY*FLOW(フロウ)* FLOWボディセラピースクール
http://www.bflow.jp

NYでマッサージセラピストに。現地で力をつけて帰国しサロンをオープン

大学では初等教育を専攻していましたが、バブル真っ只中だったこともあり、就職先は一番勢いのあった業界として大手証券会社を選択しました。しかし、数字を追いかける仕事よりも自分を活かせる仕事をしたいと、ダンスのインストラクターに転向。3歳からバレエを習っていたため、通い始めたダンススタジオですぐにインストラクターとしてクラスを持てるようになりました。

その後、東京ディズニーランドのダンサーに採用され、5年半、毎日踊っていましたが、持病の腰痛で引退を余儀なくされました。そこで、次の夢を探しに、単身でNY語学留学へ。留学先でセラピスト(治療家/療法士)という職業の存在を知ったのです。

精神性に興味を持ち始めたのもその頃でしたが、ダンサーのほかに自分を活かせる職業としてたどり着いたのが、マッサージセラピストでした。一旦帰国し、派遣社員として外資の自動車メーカーで働きながらお金を貯めて、再度渡米。マッサージセラピー界での最高峰と言われるスウェディッシュインスティチュートカレッジオブヘルスサイエンスで学び、好成績で卒業することができました。その後はマッサージセラピストとしてNYで活動。実力次第で収入が変わってくる厳しい世界でしたが、幸いにもクライアントに恵まれ、充実したセラピストライフを送っていました。

そんな折、当時働いていたサロンの日本支店の話が持ち上がり、「次なるチャレンジ!」と、一人帰国しサロンの立ち上げを行いました。さらに3年後にそのサロンから独立し、現在は東京銀座にサロンをオープンし、スクールも開校しています。

好きなことを仕事にするため、努力を惜しまず、時には自分に対してストイックに

経営者である現在、サロンとスクール運営が主な仕事です。さらに瞑想指導者として、イベントなどで瞑想のワークショップを不定期に開催しています。また、インターネットラジオ「ゆめのたね」パーソナリティ「いまここからだラジオ」(8/4より毎週土曜日朝9時)など、ラジオのお仕事もスタートしました。

サロンもスクールも、予約ベースでのスケジュールとなるため、不定休ではあるものの、ほぼ毎月、趣味の旅行を楽しんでいます。仕事から離れて自然に触れたり、アートに触れたりする時間もとても大切です。美術館を巡ったり、ジャズライブを聴きに行くなど、楽しみながら心が豊かになる時間も欠かせません。

ビジネスとプライベートの境界を引かず、ハワイのマウイ島でハンドマッサージのワークショップをしたり、屋久島で瞑想のリトリートをしたり、軽井沢でマッサージクラスをしたりなど、仕事も旅行も一緒に楽しむことも少なくありません。また、ここ数年はまとまった休みを取り、年に2回、海外旅行に出かけています。どこを訪れても、マッサージはたくさん受けて、リサーチし、ビジネスに活かすことを意識しています。

マッサージセラピストというのは、人の体に触れ、癒やし、健康を応援する仕事です。そのため、いつも学び続ける必要があると考えています。また、自分自身も、心身ともに常に良い状態でいること自体がこの仕事の使命でもあると思っています。自分が、健康で、心豊かに人生を楽しむことでプラスのエネルギーが生まれます。そのエネルギーに触れてもらい、人を元気にしたいのであれば、まずは自分が元気でいることが重要なのです。セラピスト=ライフワークであり、アイデンティティでもあると言えます。

国内外問わず、アクティブに行動する私ですが、「本質を探求しながら自由に生きる」ということをとても大事にしています。これまで、好きなことを仕事にしてきましたが、そのための努力は惜しまず、また、時には自分に対してストイックであることも。自分らしく自由に生きるためには、常に心掛けておきたいことなのです。

好きなもの、好きな人、美しいと感じるものと過ごせる今のライフスタイルを心から気に入っていますが、仕事も趣味も日常生活も特に隔たりがないということは“楽”ではありません。“有給休暇”がないのもそのひとつ。サロンをお休みして長期の休暇を取るということは、売上が上がらないという結果を生むことに。この問題を解決するために、経営者仲間の貴重な意見を参考にしたり、効率よく仕事するため、外部に出せる業務のアウトソーシングを検討するなど、経営者としてできることを日々考えています。

とはいうものの、時間を作れば、学びたいものを学ぶことができ、世界のどこへでも行きたいところに行くことができる今の働き方には満足しています。働き方は自分で決めるもの。瞑想指導者として活動する前、思い立って先に休みを入れて、その後仕事を調整することで時間が生まれ、10日間の瞑想のワークショップに参加したことがありました。そこではたくさんのインスピレーションや仕事のヒントを得ることができたのです。仕事に追われ、休みを調整することがなければ、決して経験することができなかったと思っています。自分の時間をどう使い、どう活かすか、それが仕事にも活きてくるのです。

自分が決めたことをやり抜くために努力し、向上心を忘れない

50代になり、人生の折返し地点過ぎましたが、今後一生、セラピストとしての活動は続けていくと思います。また、もっと人と関わり、お仕事でのコラボレーション、誰かを応援する、など、人と人の繋がりを意識する人生を送っていきたいと考えています。今年は、化粧品会社の新製品のマッサージ監修、ハワイでのハンドマッサージのワークショップ、ラジオのパーソナリティなど、新しいことにも挑戦してきました。さらに将来的には、体育大学や医学部などで「体」について学ぶ学生さんたちにもマッサージを教えたいという夢も持っています。

これまで私は、ずっと自分のやりたいことをやってきたように思いますが、やりたいことのために払うリスクも含めて自分の責任であり、やりたいことを全うする努力も大切だと考えています。アメリカ在住時、カレッジの学生の時は、平均睡眠3時間が続くこともありましたし、卒業後は武者修行として一週間に7日間、毎日休みなく4店舗のサロンで働いていたこともありました。他人から見れば苦労したように見えますが、セラピストとしての経験を積みたい一心で、とにかくがむしゃらに学び、働き、苦労を苦労と思う暇もなかったように記憶しています。

大切にしたいのは、自分の感覚。自分の心がHAPPYでいるかどうかが重要です。向上心を持ち、謙虚に、誠実に、感謝の気持ちを大切にすることを決して忘れず。そして、一度決めたことはひとまずやり抜いてみます。学びは経験でしか得られないので、とにかく動いて、ふと浮かんだアイデアに乗ってみたり、よりチャレンジングな方を選んでみたり。いろいろと試してみると心が決まり、迷いもいつの間にか小さくなっているものです。

自分らしい生き方とは、自分の選択に責任を持つということかもしれません。
そして、誰かの望む自分ではなく、自分が望む自分が誰かのためになることで、自分らしい働き方、生き方へと繋がっていくのだと思います。